四国八十八か所遍路道を行く

正木伸治

エピローグ

11月10日(木) 高野山へお礼参り

 帰ってきてから11月5日に高野山へ行こうとしましたが、途中の駅まで行ったのは良かったのですが、電車の故障で時間の関係と当日が日曜であったことより人手が多く断念しました。そして、11月10日に再び高野山へ向かいました。
 普通お礼参りは、一番札所の霊山寺に行くことなのかもしれないですが、お礼参りというのが、どうも曖昧で、戦前にはそのようなことはなかったらしい。どうやら、寺の営業戦略で再び訪問させて営業成績をあげようとした可能性が強いと感じたし、八十八番札所から一番に戻るには2日間くらいかかりそうなので、お礼参りは止めました。
 高野山は、四国八十八か所札所の総本山であり、お礼参りを兼ねて遍路終了の報告的意味もあり、参拝しました。
儀式は、八十八か所札所と同じで、本堂、大師堂を参拝し、最後に納経所で納経帳に仏号,寺号,三宝印を貰いました。もちろん、ここに来るのは、電車とバスを使い、歩きではありません。高野山は、昔行ったような記憶が薄っすらありますが、あまり覚えていません。
 高野山へ行ったことで、すべての遍路業が完了しました!!

電車を降りた後は、このケーブルカーに乗り、その後は、バスで寺まで行きます。 総本山高野山 山門
高野山の参道 境内の赤く見事に色づいた紅葉
紅葉が美しい!! 納経所横の水かけ仏像
納経所 本堂や大師堂は、撮影禁止で撮影できず 高野山奥の院の仏号,寺号,三宝印

まとめ
 高野山参拝を含め、すべての四国八十八か所遍路の旅が無事完了しました。特に大きなアクシデントもなく、怪我、病気にもかからず、疲れはしたものの元気に終えることが出来ました。三年前のスペイン巡礼が終わった時と同じく、丈夫な体に産んで下さった両親に改めて感謝の気持ちでいっぱいです。
 すべて終わっての感動は、それほどありません。ただただ、無事に完歩出来て、多少の達成感を味わい、自分もやれば出来るということを再認識出来た程度です。しかし、多少の悟り(そんなオーバーなものではないですが。)を得ることが出来ました。それは何かと言いますと、今更ながらのことではありますが、何事も慌てず、焦らずコツコツと努力を重ねていけば、とてつもないことへの挑戦じゃない限り、必ず目標を達成できるということです。今回は、歩いて1100km強の山あり谷ありの道を歩くということでしたが、こんな場合、必ず一日一日の目標があり、山越えにしても必ず頂きや峠があり、目的地が見えない宇宙の果てまで歩くことではないので、ゆっくりコツコツと積み重ねていけば必ず目標にたどり着けるのです。今までの人生の中で、こんなこと判り切っていると思っていたのですが、実際は判っていなかったようです。今回の経験で身に染みて判るようになりました。人生も同じことが言えるかもしれません。とにかく、時間がかかっても良いので、少しずつでもいいから、地道にコツコツと努力すれば、必ず目標が達成出来るのです。ただ、人間には寿命というものがありますので、目標達成までに時間切れになることはありますが、それはそれで仕方のないことであり、とにかく地道にコツコツと努力していくことが大切だと思いました。恥ずかしながら、今更ながらに他愛のないことかもしれませんが、今回の遍路で感じたことです。
 今回の遍路は、願をかけるとか、誰かの供養とかと、宗教的な意味は全然ありません。ただただ、自分に対する挑戦状でした。結果的に経過はどうであったにしろ、大変満足しています。

 印象的であったことは次の通りです。一生忘れることはないと思います。
1.藤井寺から焼山寺の間で、本当にここで死んでしまうのかと思ったこと。
2.四国の遍路道でお接待を受けるということを経験したこと。
3.遍路道で知り合った人のこと。二人の方と遍路後も交流しています。
4.四国在住の二人の友人が、激励に会いにきてくれたこと。(別々の場所)
5.何十年かぶりに疎遠であった長姉と会ったこと。

実際は、もっとあったはずですが、今こうして書き出してみると遍路後3か月を経過しているので、どんどん忘れていっておりあまり思い出しません。

 2月1日に、この遍路日記的なレポートが完成しましたが、実に3か月もかかりました。日記の文面は、歩いている時に書いたメモやfacebookに投稿した文を、そのままコピーしたような感じです。もっともっと写真を撮っておれば、今のところ写真を見れば、その時の状況は記憶に残っているので、もっと詳しく書けるのですが、あまり写真を撮っていなかったのです。これから、月日が経っていくともっともっと忘れていくと思います。まあ、仕方のないことですが。

 それから、三か所ほど歩いていない欠落箇所がありますので、特に拘る必要もないのですが、2月下旬に自動車で、その近くまで行き歩く予定です。どうでもいいことですが、それですべて線でつながることになります。それで、本当に本当に完了となります。

 この遍路をまたしたいかと言うと、もうしないと言うことになると思います。(笑) しかし、気が変わって、また歩きたいという気持ちになることも無きにしも非ずですが。その根拠として、スペイン巡礼から帰ってから、もう二度と歩くまいと思っていたのが、最近また歩いてみたいという気持ちになっているからです。それは、スペインの方が、四国より三倍楽だということもありますが。(笑)
                                
<かかった費用>
交通費 9,240
食費(昼食費と素泊まり宿時の夕食と朝食も含む) 39,984
宿泊費(二食付きと食事なしの宿もあり) 272,714
納経料 26,100
賽銭 1,170
飲料(ビール代も含む) 20,457
洗濯代 3,200
その他 11,440
 合計 384,305



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